Kill Bill vol.2

男と女は深く知り合えば知り合うほど別れる時にはお互いほんとうのことを言わなくなる。

Kill Bill vol.2は前宣伝どおりラブストーリーだった。
vol.1でラストまで突っ走りエンターティナメントに徹した演出はvol.2でがらりとそのイメージを変える。
復讐ということが何のためにというシュチュエーションつくりが前作で、このまま前作みたいに突っ走って復讐劇とならないところがタランチーノの巧みさである。 
これは男女関係の清算の話である。そのために殺しあうまでしなければならないのかというところが映画ならではの話であって、実生活ではよくある話である。そのための布石が随所にとりこめられる。ここで重要なのはビルは孤児だったということである。 そしてビルとの対決に乗り込んでいくシーンでは観客の期待はいい意味で裏切られ、この物語の本質の部分に突入していくのである。 それと同時にVOL.1冒頭に流れていたBang Bang Bangがリフレインされる。VOL.1冒頭のこの甘くせつないメロディはまさにこのために用意されていたのかと、タランチーノにしてやられた気がする。
前作で声だけしか登場しなかったBillは今回はいたるところで登場し、大いに語る。はでなアクションシーンよりもVol.2でのビルの語りがストーリーに重みを持たせている。
というわけであまり書くとネタばれなのでこれ以上はちょっとね。